Barilla

Barilla

2017年レポート
初代チャンピオンによる解説

セバスチャン・オルマ氏
  • ポルチーニ茸と鹿肉のパスタ
  • セバスチャン・オルマ氏

ポーランド代表
セバスチャン・
オルマ氏

ポーランドのワルシャワから大会に参加したセバスチャン・オルマ。主にロンドンの星付きレストランで研鑽を積んだオルマは、母国ポーランドでテレビにも出演するほどの人気シェフ。
オルマが用意したパスタ料理は、カザレッチェとポルチーニ茸、鹿肉、芽キャベツを使用したもの。鹿足部分を使って出汁をとり、パスタのソースにしてポルチーニ茸、鹿肉のロースト、芽キャベツのソテーを盛り付けたもの。
鹿肉のロースト単体を食す分には良いかもしれないが、パスタに乗っけてみただけ感は否めない。予選突破ならず。

  • セバスチャン・オルマ氏
  • ポルチーニ茸と鹿肉のパスタ
サイモン・カンナロンガ氏
  • かぼちゃのピューレソースのパスタ
  • サイモン・カンナロンガ氏

ドイツ代表
サイモン・
カンナロンガ氏

サイモン・カンナロンガはドイツ、バイエルンから参加。
イタリア、カンパーニャ州から移民としてドイツにやってきた祖父母を持つカンナロンガはベジタリアン、ヴィーガン料理に傾倒祖父母を持つカンナロンガはベジタリアン、ヴィーガン料理に傾倒。今回用意したパスタは全粒粉ペンネを使い、かぼちゃのピューレをパスタソースにし、レモンゼスト、塩、胡椒、砂糖で味付けした絹ごし豆腐をクリーム状にしたものをパスタの上に盛り付け、最後にウィートビールのエスプーマを盛り付ける。ダイス状にカットしたカボチャのロースト、カボチャの種のカラメライズ、チャーヴィルを飾り付けて仕上げた。準決勝には進めず。

  • サイモン・カンナロンガ氏
  • かぼちゃのピューレソースのパスタ
サビーナ・ポッサマイ氏
  • 5種のソースのリゾーニ
  • サビーナ・ポッサマイ氏

スイス代表
サビーナ・
ポッサマイ氏

スイス、ジュネーブから出場したのはサビーナ・ポッサマイ。
今回唯一の女性シェフは、過去12年間、銀行の金融部門で働いたのち、2015年、料理学校で料理の基礎を学び、調理の道を志したという異色な経歴の持ち主。
ポッサマイが選んだパスタはリゾーニという、米粒の形状をしたパスタ。シチリアの代表的な料理、アランチーニを、リゾーニで作成。アランチーニに合わせたのは、ウサギのローストと、サフランザバイオーネ、赤パプリカのソース、トマトソース、マスタードソース、バジルヨーグルトソースの5種類。彩りを意識した女性らしい盛り付けが印象的な料理。
見事に予選を突破した。

  • サビーナ・ポッサマイ氏
  • 5種のソースのリゾーニ
エイドリアン・シシュ氏
  • スパゲッティ・チャンピオン
  • エイドリアン・シシュ氏

ルーマニア代表
エイドリアン・
シシュ氏

ルーマニアからはエイドリアン・シシュが参加。
シシュは過去に自国で開催された料理大会で多数優勝経験のあり、現在は自国ルーマニア、クルジュナポカのホテル、グランドホテルイタリアで料理長を務める。
今回用意したパスタはドライマッシュルームとナッツ類をふんだんに使った一品。
かなりの自信があったのか、その名も『スパゲッティ・チャンピオン』。
残念ながら予選突破ならず。

  • エイドリアン・シシュ氏
  • スパゲッティ・チャンピオン
トルガー・ミレリ氏
  • ほうれん草をベースにしたソースのパスタ
  • トルガー・ミレリ氏

トルコ代表
トルガー・
ミレリ氏

トルコからは、キプロス東地中海大学で料理を教えているトルガー・ミレリが参戦。
ミレリが選んだパスタはスパゲッティ。
合わせたソースは、にんにく、タイム、ナツメグでインフューズしたクリームとほうれん草をミキサーでピューレにしたもの。パスタとほうれん草のピューレを合わせ、皿の上に盛り付け、うずら卵の卵黄のコンフィ、松の実、パルミジャーノレッジャーノを削りかけて完成。残念ながら予選突破ならず。

  • トルガー・ミレリ氏
  • ほうれん草をベースにしたソースのパスタ

大会開催期間中の3日間。
この期間中は常に同じバスで移動し、同じ宿で寝泊りを共に過ごしながら親交を暖めてきた若き料理人たち。勝っても負けても大会終了後はお互いに固い握手を交わし、将来の再会を誓い合っていたのが印象的でした。
今回のイベントの大きなテーマでもあった"パスタの未来"を考えた3日間。
昨今は食に対する考え方も多様化し、食事情を支える周囲の環境も大きく変化してきました。
そんな中、国や文化は違えど、出場者各々が持つアイデンティティーや故郷へのそれぞれの想い、イタリア料理への愛情、そして調理中の真剣な眼差しは皆同じでした。
大会を通し、若き料理人たちを見ていて改めて思ったことは調理場の中ではどんな職位であっても常に学ぶ立場にあるという料理人のしかるべき姿でした。
彼らを通して、『自分に謙虚に、そして相手に真摯でありたい』と改めて思い直した3日間でした。

ページトップへ