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パスタとイタリア料理の魅力を世界に伝える
2016年バリラ・パスタ・ワールドチャンピオンシップ

第1回 レポート

単に競技会である以上にイタリア料理の素晴らしさを分かち合う場でありたい。そんな思いから生まれたこの大会も今年で5年目を迎えました。6月9日から3日間、世界で活躍するイタリア料理人たちがパルマのアカデミア・バリラに集結。パスタ料理の腕を競いました。日本からは東京のレストラン『ICARO(イカロ)』の宮本シェフが出場し、決勝進出を果たしました。
この大会の模様をお伝えしながら、パスタとイタリア料理の魅力に迫ります。

“どんなパスタが美味しいパスタ?”

どんなパスタが美味しいパスタ?

ちょっとお腹が空いた時、友達や家族と楽しく食事をしたい時、イタリア人ならまずパスタに手を伸ばすでしょう。手軽に作れて、肉、魚、野菜、どの食材とも相性が良く、組み合わせも無限の幸せ食材『パスタ』。どこにでもありそうで、でもどこにもないパスタ。プロでも決して侮れない。。。

今大会でグレート・シェフの名を争った料理人たちにとって、一つ目のハードルは『時間』でした。持ち時間は各自30分。パスタは完璧な茹で加減で披露したい!当然、完成からきっちり逆算して茹でることを考えます。そこに2つ目のハードル。気の張る作業中に司会者の質問やカメラマンが気を散らす。普段通りには行きません。満足のいく出来と喜んだのも束の間、、、3つ目のバードルが。

『ソラマメはこの季節の食材だけど、そこにどうしてトリュフがはいるの?』
『君はどうしてこのパスタを選んだのかな?』
審査員は、作業手順や料理の完成度に加え、食材の季節感、パスタの種類や量、独創性なども厳しくチェック。

加えて近年、イタリア料理界でも健康への配慮やシンプルな素材選びが重要になってきており、日常に寄り添ったパスタであることも評価されるようになってきました。実際、日本の宮本シェフは胡麻、スロベニアのユーレ・トミック シェフもズッキーニを主役に審査員の心を掴みました。なお、今回の優勝は、イタリアの日常素材であるズッキーニを使って全粒粉をおいしく仕立て、自作のお皿でダイナミックさを主張したユーレの手に。
美味しいことはもちろん、馴染みの素材でほっとさせながらも驚きや、何か主張を持ったパスタ、それがイタリア人にとって美味しいパスタなのです。

次回は、宮本シェフのパスタ『Sesamo150』に迫ります!

第2回 レポート

今大会の『グレート・シェフ部門』に日本から参加し、決勝進出を果たした宮本シェフ。東京・目黒にあるレストラン『ICARO(イカロ)』は、彼が2008年にサービス担当の兄、宗隆さんと開いたお店です。2011年から6年連続でミシュランの星も獲得しており、名実ともに日本代表にふさわしい料理人。今回は惜しくも優勝は逃したものの、審査員や会場に詰めかけた業界関係者に一番強い印象を与えたのは実は宮本さんであったことは間違いありません。

“パスタが日本とイタリアを結ぶ”

パスタが日本とイタリアを結ぶ

日本男児がすり鉢でひたすら胡麻を摺る。彼の崩れぬ姿勢をみれば筋金入りの料理人であることは明らかです。その姿に会場のあちこちで驚きの声が上がりました。
宮本シェフが用意したのは、イタリアでも日本でも普段使いの食材『胡麻(イタリア語でsesamo:セザモ)』です。大振りなマカロニ状のショート・パスタ『リガトーニ・ロマー二』と組み合わせた一品『Sesamo150』。今年、日伊国交150周年を迎えたことにちなんで命名されました。

パスタに和える白胡麻ペーストは、オリーブオイルに香り高いバジルの葉とニンニクを少し添えて胡麻を摺り上げたもの。熱いボンゴレのダシを注げば胡麻の香りがふんわり。その上から新鮮なエビに白みそを忍ばせて炒ったそぼろをふんだんにかけ、仕上げにアサツキ、素干桜えび、お祝い気分のキャビアも散らした目にも鮮やかなパスタ。『パスタに少し芯を残すアルデンテという茹で方は、スパゲティなどロング・パスタには向きますが、ショート・パスタはきちんと茹でた方が美味しいと思うんです。』きっかり残り10分になったところでパスタを茹で始めた宮本さん。途中で何度かパスタをすくって固さを確かめます。

完璧にゆで上がった風味豊かなパスタを差し出され、口に入れた審査員たちは一様にハッとなりました。エビの甘味と胡麻の温かみが体に染みていきます。これまでにない味なのにどこか懐かしい。最後の一滴まできれいにソースをさらってしまった審査員たちのお皿が、旨い!そうはっきり物語っていました。
『Sesamo150』はご家庭でも作れます。
次回はパスタが育む未来を考えます。

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