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パスタ・ワールド・チャンピオンシップ 2018

イタリア本選

“パスタ界のワールドカップ”in イタリア・ミラノ
ワールドパスタデーに世界の若手トップシェフ18名が集う


本選出場18名シェフ全体集合写真(平田シェフは前列、右から2人目)

ワールドパスタデーにパスタ・ワールド・チャンピオンシップ2018が開幕

2018年10月24日、25日の2日間に渡り、パスタ界のワールドカップとも称される「パスタ・ワールド・チャンピオンシップ 2018」がイタリア・ミラノで開催されました。

日本予選を勝ち抜いた石川県七尾市「Villa della Pace(ヴィラ・デラ・パーチェ)」のオーナーシェフ平田明珠(ひらた・めいじゅ)氏をはじめ、世界17カ国より18名の若手シェフたちが世界で活躍する著名な審査員たちを前に「マスター・オブ・パスタ」の座をかけて競い合いました。

2018年のPWCは、良質の素材と持続可能性を大切にしながら、栄養豊富なものをバランスよく、楽しく食べることを推奨するバリラの「Eat Positive(ポジティブに食べよう)」というテーマに沿って開催されました。出場シェフは「Eat Positive」のヒントになり、かつ世界のパスタの消費を拡大するような、そのシェフならではの一品を創り出すことで、本テーマをバリラとともに広めていくことが求められます。

また「Eat Positive」というテーマは、今回のPWCの一部として同時に開催されるトークショーやカンファレンスにも共通しており、PWCを通じて農業慣行や持続可能な食習慣のほか、シンプルで美味しく美しいイタリア料理の持つ力を存分に経験することができます。

決勝戦は10月25日のワールドパスタデーに実施され、アメリカ代表のカロリーナ・ディアスさんが頂点に輝きました。

― パスタ・ワールド・チャンピオンシップ2018 1日目スケジュール―

09:001日目開幕
09:25第1回戦<Master of Joy>第1部
12:30マスターズ・トーク
(Brittany Wright &Chef Jozef Youssef)
13:00ランチ
14:00第1回戦<Master of Joy>第2部
16:30マスターズ・トーク
(Chef Holger Stromberg & Filippa Lagerback)
20:30ガラディナー
(ミシュラン3つ星シェフ Chef Norbert Niederkofler)

― パスタ・ワールド・チャンピオンシップ2日目スケジュール ―

09:002日目開幕
09:25準決勝戦<Master of Wellbeing>
12:30新商品発表(レグーメパスタシリーズ)
12:40マスター・レッスン
(Chef Pietro Leemanによるクッキングショー)
13:30ランチ
14:20マスターズ・トーク
(Chef Davide Oldani & Giuseppe Bonati)
15:00ファイナリスト発表
18:30決勝戦開幕
19:00食と音楽の共演(Chef Davide Oldani)
19:30決勝戦<Master of Mastery>
21:00優勝者発表
パスタパーティー

 

ミラノ中心部モスコーヴァ地区に位置する、世界的なファッションブランドのコレクション発表会場としても有名なラ・ぺロタには、巨大なオープンキッチンが会場の真ん中に設営され、審査員をはじめ400名以上の観客たちは、調理中のシェフを360°の角度から目の前で見ることができます。今大会より1対1で対決するトーナメント方式となり、第1回戦では18名から9名に絞られ、敗者復活者を経て10名が準決勝戦に進み、その中から2名がファイナリストとして勝ち進み、決勝戦で競いました。

回を重ねるごとにチャンピオンシップ以外のアクティビティも豪華さを増した今大会では、審査の合間でサステナビリティに関する全3回のトークショー(マスターズ・トーク)、調理デモンストレーション(マスター・レッスン)、有名シェフとコラボレーションした音楽パフォーマンス(食と音楽の共演)などが用意され、出場シェフはもちろん観客も楽しみながら学べる内容となりました。また、1日目のガラディナー、2日目のパスタパーティーでは各界から多くのスペシャルゲストが招待され、参加者やゲストは素晴らしい料理や音楽、パフォーマンスとともにパスタについて語り合いました。

能登の魅力で挑むパスタの世界大会


左:調理審査中の平田シェフ
右:魚醤「いしり(いしる)」を味見をする審査員と平田シェフ

まず、第1回戦では出場シェフは制限時間1時間の中で、「Master of Joy(喜びのマスター)」というテーマに沿ってオリジナリティを表現するパスタを披露しました。日本代表の平田シェフは、初戦対戦相手のドイツ代表の女性シェフ、サブリナ・フェンツル氏に対し、シグニチャー・ディッシュ「Spaghetti alla Carbonara con Gamberetti(甘海老のカルボナーラ)」で挑みました。東京都出身の平田シェフが、能登の里山里海の食材の豊かさに惚れ込み移住し、自身のイタリアンレストランをオープンした石川県の能登半島。平田シェフはその能登の魅力を世界に伝えるため、干し甘海老や魚醤「いしり(いしる)」など能登産の食材にこだわり、能登の伝統工芸である輪島塗のパスタ皿を特注して持参しました。このパスタには、能登で生産者の顔を直接見て食材選びをする平田シェフならではの想いがありました。一般的に市場には出回らない規格外の干し甘海老を使うなどで、食べた人だけではなく生産者も喜ばせることのできる「Master of Joy」を考えたレシピです。


写真:平田シェフのシグニチャー・ディッシュ「Spaghetti alla Carbonara con Gamberetti 甘海老のカルボナーラ」

「日本に帰って、早く料理が作りたいですね」

第1回戦が終わった後の平田シェフの第一声。惜しくも平田シェフは準決勝に進むことはできませんでしたが、PWCを通して平田シェフの中には新たな気づきが生まれたそうです。世界大会を終え、平田シェフは以下のよう語っています。

「僕自身はシンプルなパスタを心がけて、能登の干した甘海老のおいしさをシンプルに全面に押し出したパスタを作り出したかったし、作れたと思います。ただ、それでは世界各国の審査員に対して印象深い料理にするのは難しかった。自分自身の味覚の幅の足りないところでだったので、今後の料理にも活かせるとても良い経験になりました。今は能登で新たな料理を考え、作るのがとても楽しみです。」

平田シェフの料理には、一貫した能登への強い想いがあります。平田シェフは世界大会を通してご自身の地元能登での活動を振り返り、「日本でも世界でも、結局は料理人一人ひとりがバックボーンやストーリーを持っているのか、それを料理でどう表現するのかが評価されていると感じました。今後、能登の魅力を伝えていく上で、自分たちが表現力や人間力を持っていないといけない。それがまたさらに豊かな能登の魅力にも繋がるのではないかと思います。」と語りました。

「チームバリラジャパン」で挑む世界大会

今大会で活躍したのが日本の応援団の存在です。もちろん日本代表として戦うのは平田シェフですが、平田シェフを精神的にも支え、共に現地で戦った「チームバリラジャパン」の存在は大きかったと、平田シェフは大会後に語りました。今年は、現地イタリア・ミラノから日本人オーナーシェフとして初めてイタリア・ミシュラン一つ星を獲得した「Ristorante Tokuyoshi」の徳吉洋二シェフや、東京・三軒茶屋の「PepeRosso」でイタリアの郷土料理の魅力を伝える今井和正シェフが平田シェフを応援するためにミラノに駆けつけました。


PWC2018のチームバリラジャパン。左から今井 和正シェフ、平田シェフ、徳吉 洋二シェフ、料理通信の曽根 清子編集長、バリラ ジャパンの堀込 玲、ジャーナリストの池田 匡克氏

コンテストとは、自分が何であるかを表現する場

「パスタ・ワールド・チャンピオンシップ2018」で見事に優勝に輝いたアメリカ代表の女性シェフ、カロリーナ・ディアスさんは、メキシコにルーツを持ち現在はアメリカ・シカゴのレストランで働いており、今大会に参加するまではイタリアへの渡航経験はなかったそうです。彼女が中国代表のトビー・ワンさんと戦った決勝戦「Master of Mastery(創造性のマスター)」で披露したイタリアンパスタの象徴「スパゲッティ・アル・ポモドーロ」は、自身のルーツを強く打ち出し、自分が何者であるかが伝わる彼女ならではの作品でした。この王道のパスタに対して、おいしさという点ではトビーさんも決して負けてはいませんでしたが、コンテストに求められているもの、自分が何者であるかを表現できているかが結果に表れる形になりました。

  • ・世界大会では味覚は人によって異なるため、美味しいだけではなく『自分が何者であるか』を表現する哲学を持つこと。
  • ・審査員にはイタリア人が多いため、審査員にアピールするにはイタリア人が好む味を分析し、自身のパスタの中でどう表現するのか。
  • ・イタリア人にとってパスタとは家族で食べる「楽しい」ものである。その観点からも、審査員や観客へのアピールが必要である。

 

PWCを経て、チームバリラジャパンがパスタの世界大会で求められるものについて出した結論です。例えばイタリア人はオイリーな味を好みますが、特に北イタリアではバター、南イタリアであればオリーブと好みが分かれます。また、今大会の審査では、「自身のバックグラウンドからなぜこの食材とこの食材を組み合わせたのか」など、自国のシェフとしてのアイデンティティに踏み込んだ質問も多くみられ、「自分が何者であるのかを表現すること」が随所で求められていました。

バリラが求める「おいしい」の次

バリラジャパンは今大会から第二次選考として初の実技審査を導入し、日本代表シェフを選出しました。これはイタリアを代表する食品企業として、今後のイタリア料理界を担う若手シェフを公平に見極めたいという思いから始まった取り組みです。

バリラは”Good For You Good For The Planet(健康にも地球にも、コミュニティにもよいことを)“を事業活動の根底に考える4代にわたる家族経営企業です。バリラはパスタに限りない情熱とこだわりを持っており、PWCの活動を通して、日本のイタリア料理界のレベルアップに貢献していきたいと考えています。2019年には、ぜひより多くの日本人若手イタリアンシェフに「パスタ・ワールド・チャンピオンシップ」に応募し、世界の舞台に挑戦してほしいと願っています。

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